かにかくに人は言ふとも若狭道の
       後瀬の山の後も逢わむ君
            大伴 坂上大嬢  万葉集
はとやかく言ってじゃまだてしても、若狭にある後瀬の山の名のように後で逢いましょうね、あなたーーー
目で男を支えるーーー女

あなたーーーいつものところで、あとでネ。
男がこころ休まる女。長続きする女。
この歌は大伴家持の妻のものであるが、坂上大嬢はそんな女でなかったか。

激しい感性をぶつける笠女郎を恋人にした家持。
燃え立つ炎は、更に燃え立つことを期待しーーーー切れる。

交配して何年も待って咲く花であれば、私も、激しい花にこころ惹かれる。
そして、多くの写真を撮れば花に負けて疲れてしまう。
仕事中も私のことを想っていてーーーと、笠女郎は言ったのかもしれない。

少し、休んだらーーーー
この花を見ていると、そのようにささやいてくれる。

ちょっと見たときは、そこいらにざらに有りそうな花であるが・・・・
なぜか、Lipの目線に吸い込まれて、私は、立ち止まってしまう。
私はこの花に、こころやすらぐのを覚える。
溜息の出るような花ではないが、そばにいるだけでいいのである。
忙しいとき、この花は「私に気を使わないでーーー」という。

燠ーーーー
夕方、この花を見ると女のーーー「燠」を想う。
Lipに差す紅に、控え目であるが熱き想いを掬うことになる。
昼の陽光の下では見せなかった「燠」のような目線をーーーである。

                               宇井 清太
 
 MOG95−14
 Happy Promenade
 花径12,5cm
 1月咲き 大型種
  nbers
大伴 坂上大嬢
かにかくに人は言ふとも若狭道の
      後瀬の山の後も逢はむ君

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