大陸移動とランとラン菌(材木腐朽菌)

 
 現在の地球の大陸。
 何億年かけて・・・大移動して現在の位置になった。
 ランの原種分布と材木腐朽菌の分布。
 大陸移動が大きく関係している。

 中南米原産のモルモーデス属とアフリカ原産のアンセリア属が交配されMormoselliaが
 RHSに登録された。
 中南米原産のカタセタムとマダカスカル原産のグラマンギスが交配されCatamangisが
 RHSに登録された。
 
 こういう交配が可能だということは、大昔アフリカと中南米が同じ大陸だったというのは、
 本当なのかもしれない。
  ということは・・・ラン菌の材木腐朽菌も同じものが両大陸に分割移動したことになる。
 更にマダカスカルとヒマラヤの関係を見れば、
 マダカスカルの材木腐朽菌がヒマラヤにも生息することになる。
 CymbidiumとCymbidiellaの関係である。
 植物分類学上の分類は、RHSのサンダースリストを見れば解かるように、
 その分類は一定ではない。
 レリアがソフロになる。そういう大変革を分類学者は行うが、
 ラン菌との共生という観点から見れば、ラン科植物は菌根植物である。
 こういう分類も有る。
 コンポストを開発する場合は、この分類が最も重要であった。
 この大陸移動によって、同じ植物でも、その後環境に適応するために、
 多様に変化し、固有種と分類されるまで進化した。
 しかし、その植物には、
 環境の変化に適応するために後から生まれたDNAと、
 その植物は起源になるDNAを保存しつづけている。

 このダーウインの進化論は、現在定着しているが、
 現在のアメリカ人の約15%の人は、地球上動植物、鉱物は、
 神が創ったものであると・・・信じているという。
 植物分類学は・・・神の啓示によって天才リンネが・・・神が創ったものを分類し、
 リストアップしたものである。
 この歴史で、ラン科植物でも、細かく、細かく・・・違いを見分けて分類している。
 違いが・・・最も重要である。

 これとは別な観点、違いを分類整理するのではなく、
 ラン科植物26000の原種に共通するものは何か???
 この観点から追究したのがSUGOI-neである。
 ランである限り、必ず共通するものがある。
   枯れ落ち葉。
   ラン菌。
 この二つはどんなランにも共通する。
 この二つの条件からランを見れば、26000の原種も一つであると・・・分類することができる。
 26000のランに大きな違いは無い。
 枯れ落ち葉に生息するラン菌(材木腐朽菌。
 これも陸地の移動と共に当然移動する。
 その後の長い年月で変異し、固有種も生まれるが、基本のDNAは同じである。
 例えば・・・・
 材木腐朽菌の一種の「チャワンタケ」。
 菌界の分類学では、
  カタクリチャワンタケ・・・・カタクリの枯れ落ち葉のあるところに生える。
  アネモネチャワンタケ・・・キンポーゲ科植物の枯れ落ち葉のあるところに生える。
  ツバキキンカクチャワンタケ・・・ツバキの枯れ落ち葉のあるところに生える。
  ・・・・・
  カタクリは日本にもヨーロッパにも自生する。だから同じチャワンタケ。
  イチリンソウ、ユキワリソウ、福寿草、クリスマスローズ、秋明菊・・・アネモネチャワンタケ
  が生える。秋明菊は中国雲南、クリスマスローズはヨーロッパと中国雲南。
  ツバキは中国雲南、日本・・・・ツバキチャワンタケ。

  チャワンタケは植物の枯れ落ち葉で細かく分類されている。
  このチャワンタケは、世界全域に分布し、ツンドラ、タイガの北極圏のカラマツの針葉樹林、
  全世界のブナ、ナラ、コナラなどの広葉樹林、赤松、杉などの針葉樹林、
  ツバキなどの照葉樹林、焼畑の炭化した土壌、
  熱帯雨林・・・・
  更にゼニゴケの死骸にチャワンタケが生息する。
  この全世界に分布するチャワンタケ。
  名前のついているもは少なく、分類しきれない・・・。
  分類学的には、カタクリチャワンタケもアネモネチャワンタケも、ツバキキンカクチャワンタケも、
  小さな違いから別種としている。
  しかしみなチャワンタケである。
  大きく見れば材木腐朽菌。
  材木腐朽菌の胞子とランの種子。
  その飛散は、ほとんど同じである。
  これらの菌とランの種子の共通点は必ず植物の死骸、枯れ落ち葉である。
  ランの自生地とチャワンタケの自生地は重なる。
  ランは新参者。
  根を深く伸ばそうとすれば、そこには既に先達の草木の根が縦横に張り巡らされて、
  養分、水分の争奪戦ではとうてい勝ち目はない。
  それで、他の植物の根が少ない地表、樹の上に根を張った。
  地表に棲む菌は好気性菌。
  当然ランが選んだパートナーは好気性菌の材木腐朽菌ということになる。
  つまり、ランのコンポストを開発するには、植物を細かく分類する分類学の視点ではなく、
  ラン科植物全部に共通するものは何か、どんな菌なのかの目線が必要だった。
  固有種のランに固有種の菌の視点では、産業用のコンポストは開発できない。
  例えば・・・・
  オニノヤガラにナラタケ菌が共生する。
  この発見研究は真理であろう。
  だが、この発見から、カトレアのコンポストは開発できない。
  ここで研究は止まってしまう。
  菌類とランの両方を研究しているものがいないからである。
  菌類の学者で・・・ラン栽培を行っている人いないからである。
  ランの研究者で菌類を研究している人いないからである。
  植物学と菌類学の発生の源流は別で、それぞれドッキングすることなく今日まできた。
  だから、コンポスト開発が出来ない。
  キノコの新種発見、標本・・・論文で止まってしまう。
  ラン界はどういうわけか・・・植物分類学。
  原種の名前を多く知っていると「権威者」である!
  ランの業者は・・ほとんど植物学者みたい。
  そこで留まって・・・ラン菌を研究。
  プラントハンターは・・・・ラン菌に興味は無かったようである。
  牧野博士は・・・植物栽培者ではなかった。
  そういうことで、ラン栽培現場では、農学の作物栽培の技術を応用した。
  肥料重視である。
  現在の農業で、農業技術で最も欠落しているのは菌根菌の研究である。
  この欠落したところにラン栽培がある。
  作物栽培の理論が・・・そのままラン栽培理論になっている。
  説明がつかない場面が出てくる。
  逆に見れば・・・・
  現在ラン栽培に使われている水ゴケ、バーク、軽石で・・・・・
  農業の作物は、ほとんど素晴らしい生育、収穫は出来ないということである。
  植物の生育に欠陥があるコンポストでランを栽培しているということである。
  そういうコンポストで上手に栽培することは・・・手塩のかけて・・・
  細心の注意を払いながら、最高の技術で管理しなければならない。
  こんな技術を持っている人が日本には何人もいない。
  これでは・・ランが普及するわけはない。
  ラン栽培上のほとんどの問題は・・・コンポストの問題なのである。
  
 
多くのランは、材木腐朽菌をパートナーに選んだ。
 枯れ落ち葉に生息する好気性菌である。
 チャワンタケに見られるように、材木腐朽菌の中には、全世界に分布するものがある。
 ランという植物は、そういう菌を選んだとしても不思議ではない。
 宇井清太の発見したラン菌が、ほとんど全てのランに適合するのは、
 以上のことから不思議なことではないことが理解出来よう。
 根が生きるには空気が必要だから、酵母、乳酸菌のような嫌気性菌では問題外だった。
 宇井清太が発見したラン菌は、全世界に自生する多くの種類のランに適合する。
 枯れ落ち葉に生息する好気性菌の材木腐朽菌である。
 1種類のランに1種類のラン菌のみ共生するというのではない。
 一つのラン菌が、多くのランに共生又は生育に深く関係している。
 このことが、宇井清太のラン菌によって実証された。
 種子に共生して発芽することは無くても、生育に深く関係するということである。
 ラン菌が枯れ落ち葉を分解した成分。
 ラン菌が根に供給する成分、空気。
 ラン菌が老廃物を分解して作る埴生環境の浄化環境条件。
 つまり、この枯れ落ち葉由来の微量で複雑な成分が、全然解明されていない。
 必須元素16は解かっている。
 それが組み合わさって、どのように植物に関係しているのか未知である。
 菌根植物においては謎が深まるばかりである。
 
 以上のようなことが、種子発芽時の共生関係以外に行われていると推察することができる。
 材木腐朽菌とランに大きな関係があると考えれば、
 SUGOI-neが、宇井清太の発見したラン菌が、全世界に分布する26000にも及ぶランの原種に、
 素晴らしい生育をもたらす原因の説明がつく。
 更に材木腐朽菌の胞子は、大氣の移動で全世界に落下して、そこの枯れ落ち葉に生息する。
 日本のマツタケとフィンランドのマツタケが同じDNAである。
 同じマツタケでも、中国雲南のマツタケ菌は赤松ではなく、ナラ、コナラなどの広葉樹に生息する。
 菌の世界は・・・以上のように変化に富む。

 カンラン、シュンラン栽培。
 松ノ木の朽ちた木をミックス。
 キノコ栽培の終った朽ちたホダ木をミックス。
 これで元気になったという例もあるようである。
 しかし、誰が行っても同じ結果が出ないから・・・・普及しない。
 そんなに菌の世界は簡単なものではない。
 更に「ダンボール播種」。
 ダンボールはパルプである。
 材木腐朽菌が共生菌になって発芽した。
 宇井清太がラン菌を発見するまで、なぜダンボールで発芽するか解からなかったようである。
 経験上の播種技術であった。
 このことから、コンポストにダンボールをミックスする栽培が考えられるが、
 宇井清太の実験では、Cymbidiumが素晴らしい生育した鉢はなかった。
 鉢に使用した場合、ダンボールミックスでは、水分などの要因が、
 生育に大きく関わるので、リービッヒの最少律の法則が出る。
 更に、ネジバナ、ウチョウランのようなランと、その他のランには、
 共生する菌も、要求する養分にも大きな違いがあるのかもしれない。
 材木腐朽菌の固有種とランの固有種。
 この二つの関係を解き明かすのは・・・至難なことである。
 しかし、地球上の植物の90%以上は「枯れ落ち葉」の中に自生する。
 ここには必ず材木腐朽菌が生息している。
 ラン栽培のキイポイントは枯れ落ち葉である!
 この自然の法則からSUGOI-neが生まれた。
 理論上の破綻はSUGOI-ne栽培にはない。
  以上のように枯れ落ち葉と材木腐朽菌とランの関係は、
 現在の科学では未だに解明できない大きな謎がある。
 SUGOI-ne栽培においても、
 栽培の実証を積み重ねて、素晴らしい生育で実証することになる。
 科学は後からついてくる。




 

 
 
HOME
BACK

kouza53