焼畑農業とマンションのベランダの炭素循環




 昔は日本各地で焼畑農業が行われていた。
 現在でも、ランの自生地、インドネシア カリマン島、
 多くの原種が次々に樹木と共に焼かれる。
 ブラジルのカトレア ワルケの自生地では広大な焼畑でプランテーション農業が行われている。
 この焼畑では、植物を燃やすから枯れ落ち葉はほとんど燃え尽くす。
 そこには、枯れ落ち葉はなくなるから当然炭素循環は遮断される。
 永年積みかねられてきた自然界の炭素循環の養分を、
 数年収奪して・・・使い尽くすと・・・自然に返し・・・次に移ってゆく・・・。
 上手いことを考えたものである。

 枯れ落ち葉を燃やすから燐酸、カリが肥料として利用される。
 しかし、窒素は期待できない。
 こういうことで、日本では焼畑の初年は・・・ヤセ地でも育つ「ソバ」が植えられる。
 次年度はヒエ、アワ・・・・など。
 赤カブ・・・なども植えられる。
 この十字科植物は・・・・炭素循環で生きる植物ではない。
 SUGOI-ne栽培してみると・・・・
 白菜、キャベツ、ダイコン、カブ・・・などの十字科植物は良く生育しない。
 ラン科植物と全く異なる方向の進化を行った植物であることが解かる。
 それからコマクサ。
 これもSUGOI-neでは良く育たない。

 こういうことが、昔の人は試行錯誤で研究した。
 焼畑農業で栽培される植物は・・・ほとんど炭素循環を必要としない植物である。
 マメ科植物。
 植物では数少ない空中窒素ガスを固定できる。
 固定できる菌を根に養殖して、窒素の供給を受けて生きる。
 だから、窒素の少ない焼畑でも収穫できる。
 ブラジルの広大な大豆畑は・・・この焼畑後に畑になった。
 焼畑農業というのは・
 数年すると放置して、元の森林に戻す。
 そして炭素循環を再生して、持続的な農業にしている。
 数年で土壌は痩せて作物が育たなくなる。
 貧しい養分で育つソバでもである。
 
 

 この焼畑はランにとって致命的である。
 炭素循環は破壊。
 ラン菌はほとんど全滅。
 自生地再生は不可能な環境になる。

 これと似ている場所がある。
 私たちのラン栽培場である。
 マンションのベランダ。
 そこには枯れ落ち葉はない。
 これまでの水ゴケ、バーク、軽石にはラン菌がいない。
 焼畑と同じでないか・・・????
 ランは焼畑で栽培されるソバと同じように、貧しい養分で生きられるから、
 水ゴケ、バーク、軽石でも栽培出来たに過ぎない。
 本当は、ランに腐生ランがあることらも解かるように・・・
 もっと肥沃な養分のあるコンポストを望んでいるのである。
 SUGOI-neで栽培すると、素晴らしいバルブが出来るのは、このことを裏付けている。
 貧しい土地にでも生える「ワラビ」。
 このワラビでも「焼け野のワラビ太くたつ」・・・といわれるように、
 野焼きの場所に出るワラビは・・・野焼きで出来た灰の養分で太くでてくる。
 ワラビも貧しい土地を望んではいないのである。
 ミニオーキッド。
 ラン科植物の大部分は大きい身体に生長しないミニ、ミニ、ミニ・・・である。
 このミニオーキッド達も、本心は・・・大きくなりたかったのではないか。
 つつましき生きなければ生きてゆけなかったから・・・そのように進化した。
 SUGOI-ne栽培では・・・このミニオーキッドも・・
 精一杯に・・・大きくなる。
 焼け野のワラビは太く立つ・・・と同じ姿になる。

 栽培温室。
 温室の棚には枯れ落ち葉はない。
 ラン菌もいない。
 炭素循環のない水ゴケ、バーク、軽石は、焼畑と同じである。
 収奪された後の焼畑と同じではないか・・・・???
 

 こういう状態に硝酸態窒素を施せば・・・・・
 ナンプ菌が大繁殖する!
 あげくにナンプ病多発。
 これが現在の日本のラン栽培現状である。
 これで、原種保存など出来るわけはない!!
 原種保存会が原種絶種会になってしまう。

 菌根植物であるランを、全然考えないラン栽培が、
 いかに無謀なことか理解出来よう。

 
 
 
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kouza50