北欧の針葉樹林の林床に自生するワイルドブルーベリー。
表土の下は永久凍土の場所でも生きられる。
ハイブッシュブルーベリーの自生地アパラチアン山脈の秋。
点々と針葉樹がある。
針葉樹から落葉広葉樹への遷移である。
陽樹の針葉樹の林床にワイルドブルーベリーは自生する。
北欧のブルーベリーの森。
この森は、非常に寒冷のため落葉広葉樹林に遷移
することはない。
スノキ科植物は、第四紀時代に、何回かの氷河期と間氷期に、
南に逃避したり、北に還ったりを繰り返して現在の生息地に落ち着いた。
氷河期は約4万年から10万年の間隔で起こった。
この周期は、ブルーベリーだけでなく、北極圏からフロリダまでのエリアに自生する全ての植物が、
気の遠くなるような時間の中で、生存競争を繰り広げ・・・勝ち組植物は生き残り、
負け組植物は・・・絶えたり、細々と生き残ってきた。

森林の変遷は・・・
氷河さったあとは、最初に一年草が優占種となり、おおくの枯れ落ち葉が堆積するようになると、
樹木の陽樹の針葉樹が優占種となり、大繁茂し林床に光が入らなくなると、
針葉樹の種子は芽生えることが出来ないため、やがて針葉樹の林は衰退する。
こお林床で発芽するのは、日陰でも生きられるブナ、ナラ・・・などの陰樹である。
この陰樹の仲間に「スノキ属植物」も含まれる。
この陰樹の樹木の中にも、喬木になるブナのような木もあり、この林床にスノキ属植物のような
灌木が細々と生きる。
ナツハゼ、スノキブナなどの喬木が落した光を拾って生きている。
シャシャンボはマツなどの樹林の中に自生している。
日本でのブナの南への逃避行は・・・大阪の岸和田市のブナ。
第三紀周北極植物のブナとして天然記念物指定。



ワイルドブルーベリーは、第三紀時代も、寒冷地帯に自生していたから、
第四紀の氷河期時代にも・・・・南への移動は・・・平地では北米5大湖あたりまで。
高山植物として・・・・日本のクロマメノキ、クロウスゴ、ツルコケモモとして、
この植物はロッキー山脈の高山、ヨーロッパ、アルプスの高山等で生き続けている。
こういうエリアでも、シベリアのツンドラ、タイガー地帯では、針葉樹が30mにもなっている。
松、カラマツなどの針葉樹は、貧栄養土壌でも、喬木にまで成長出来る「陽樹」である。
光合成勝ち組植物である。
この林床で、光を拾いながらワイルドブルーベリーは、地面に這うように生きている。
充分な光合成出来ないから・・・「隔年結果」になり「表年」「裏年」がある。
ワイルドブルーベリーの自生地は過酷。
タイガー、ツンドラ、高山。
亜高山、高山植物である。


ハイブッシュブルーベリーの自生地は、
植物変遷が・・・激しく行われた場所である。
陽樹の針葉樹から陰樹へ。
氷河で絶滅し・・・氷河が解ければ・・・・草源・・針葉樹・・・ブナへ・・・変遷。
ハイブッシュブルーベリーは・・・ブナ林と共に自生地を移動してきた。
つまり、ブナ林の林床に構築されたいる菌ネットワークで生きている。
北米アパラチアン山脈と、日本の奥羽山脈は非常に似ている。
陰樹の落葉広葉樹林である。
この林の林床には、約10年前の枯れ落ち葉が堆積し、
下層の枯れ落ち葉から木材腐朽菌によって分解される。
リグニン、セルロースから生まれる糖質、糖をエサにしている多種の微生物が生息する。
これが木材腐朽菌の微生物ネットワークである。
ブルーベリーは、部分的菌従属植物。
光合成で足りないエネルギーは、この菌ネットワークからエネルギーrを調達している。
ハイブッシュブルーベリーは、アパラチアン山脈を南へ逃避した植物で、
北米の五大湖とフロリダの中間あたりのエリアに自生。
秋になると、奥羽山脈のドウダンツツジ、ヨウラクツツジのように、美しい紅葉になる。
林床はキノコの宝庫である。
日本の落葉広葉樹の里山。
里山につ続く山道の側、林縁に・・・スノキ、ナツハゼが自生している!
こういうエリアも、以前は陽樹の針葉樹の森であった。
植生の遷移の中で、ブルーベリーは生きている植物である。





ラビットアイ ブルーベリーの自生地は、ハイブッシュブルーベリーより更に南下し、
ジョージア、フロリダの低山まで自生する。
アパラチアン山脈がジョージア州で消滅するが、
その山脈は・・・更に南のフロリダまで低山の山がつつく・・・。
このエリアも、氷河期の後は針葉樹林に覆われていたが、
現在の陰樹・・・落葉広葉樹に遷移しているが、
暖地型の常緑広葉樹もじせいする。
スノキ属の中には常緑の種もあるが、このエリアには常緑の背の高いブルーベリーも生まれた。
日本のスノキ属植物のシャシャンボも常緑である。
山形県の蔵王山山麓にはシャシャンボの樹高10mのシャシャンボがある!
地表に舞い落ちる枯れ葉が、木材腐朽菌によって短時間に激しく分解される。
多くの「糖」が生まれ、これを木材腐朽菌が供給するため、
大きな樹にまで生長できる。
こういうブルーベリーであっても、その性質は「陰樹」であり、喬木の間で生きる植物である。




以上のように、第三紀周北極植物であるブルーベリーが、
氷河に追われ南へ逃避したが、南に行くほど温度が高くなり、
木材腐朽菌の活動が活発になり、枯れ落ち葉の分解は早くなる。
この分解速度が、ブルーベリーの樹高になる。
しかし、ブルーベリーは喬木にはなれない!
森林の光負け組植物だからである。


この枯れ落ち葉の炭素循環が無ければ、生きられない植物がブルーベリーである。
しかし、日本のブルーベリー栽培では、この最も基本が削除されている。
光負け組植物が生き残ることが出来たのには・・・・理由がある。
環境の異なる場所で・・・同じスノキ科植物が生き残れたのには理由がある。
貧栄養のそれぞれの環境に適応できたからである。
スノキ属は世界に約400種自生しているが・・・全て「菌根」を具備している!
枯れ落ち葉の炭素循環システムを利用するためである。

ブルーベリー畑に、炭素循環を構築せれば・・・栽培成功になるが、
現在のブルーベリー畑には、これが欠落しているから、
ブルーベリー栽培は・・・問題が出てくる。














ハイブッシュブルーベリー、ラビットアイブルーベリー自生地の植物遷移
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