中村さんの温室構造

宇井 清太 記
ラン暦10年。
らん作りにとって、10年というのは非常に短い年月ですが、この短い年月で自然の奥深いところを掬うことが出来たのは・・・・と問えば、ランを作る前はーーー山野草を作ったとのこと。なるほど・・・・。
私も、そういえば、そうで、中尾佐助先生のブータンの本で胸躍らせて「青いけし」をイメージしたものである。50年も前のことであるが・・・・。夢中になってヒマラヤのプりムラ類を集めたものである。

カトレアの原種も、おもえば、南米の山野草・・・・。
「環境作りが・・・・大切・・・・」。
この環境作りは・・・・・温室にどのぐらい足跡を残したかで決る!!
「このことが苦痛になることもありますが・・・・・」。
栽培技術より、生命の深いところ見詰めているように思える。この目線は、川辺佳津子さんとも共通する。
ラン作りは理屈ではない・・・・。
科学の理論は後からついてくる。ランは、科学の進歩と歩みを共にしてきた。でも、ラン作りの奥深いところに「育てる楽しみが」が無い時は、ランはたおやかには・・・・・咲いてくれない。
「育てるのが楽しいんです・・・・」。
「花を咲かせるより・・・・育てるのがたのしいんです・・・」

この心根が「グランプリ」を呼び寄せた・・・・。
ランを咲かせるために作る楽しみより、毎日、育ってくれることを楽しみに・・・・足しげく温室に通う・・・・。
ランつくり10年。思いもかけなグランプリ」。ひとつのくぎりをして・・・・
中村さんのこころによぎるのは・・・・。

秋から初夏までビニールを張る。
初夏から秋までダイオネット張る。
冬期暖房費の節約が大幅に可能になる。
 
 乾燥防止散水パイプ
 ここに散水して湿度を調節する。
 非常に調子が良い。

Ò

 暖房機
 室温最低15℃
最低 8℃
 高温性ラン
 低温性ラン

山形の冬は寒く雪に悩まされる。

カトレアを栽培する時、この条件を先ず始めに克服しなければならない。2棟の暖房費は約11万円必要。暖房機は乾燥機になる!!
夢を追うには、寒地での蘭栽培はコストの制約を受ける。温室の構造に創意と工夫が必要になる。そして、悩まされるのが、乾燥をどうやって防ぐか・・・・。この問題を解決したのが上記の温室です。
ランを「たおやかに」育てるには「水」のことが最重要とのこと。たおやかには瑞々しさが・・・・。激しい環境では花も激しくなる・・・。温室を二重構造にして、乾燥防止の散水パイプを設置し適宜散水して乾燥の問題を解決した。

この温室は高温性ランと低温性ランを栽培することが出きる。

の温室を最低15℃にすれば、の外側の温室は約8℃になる。寒地でのラン作りは光熱費の問題が大きく、金をあまりかけないで、ランを楽しむには温室の省エネの創意工夫は避けて通ることは出来ない。
の潅水パイプから水を散水すると多湿になり、この湿度がの空間を乾燥から護ることが出きる。勿論、の温室内にも散水します。

温室は半地下式。
自生地の諸条件を再現するのがラン栽培。半地下式はイギリスで考案された温室構造ですが、寒地でのラン栽培では最適のものです。
この温室構造ではBでCymbidiumもよく出来、花も大きく先端の花までゆったりと咲きます。花が詰まらないです。

夏は・・・・。
Bのビニールを取り除くことで高温を防ぐことが出きる。屋根の骨材を利用して鉢を吊り下げる。屋根にはダイオネットを被服してシェードする。多種のラン600鉢を栽培するには、鉢を置く場所が最適でなければなりませんが、温室の立地条件、構造による微妙な環境条件の変化を捉えて、その場所を好むランを、その場所に置くこと。
このことが短時間でつかむことが・・・・ラン栽培の能力なのかもしれません。

中村さんの作品L,jongheana”Yoshiko”。
たおやか・・・に咲き揺れる眼差しに、ふくしま国際蘭展2001は「グランプリ」を捧げた・・・・。
改良の極致をきわめた名花の中にあって、中村さんの感性が、多くの人々のこころを揺らし、共鳴させた。

花は人のためにさくのではない。中村さんが花に心寄せていった時、花はたおやかに咲いてくれる・・・。
グランプリは、中村さんの花こころの波紋であろう。
グランプリは飽くまでも結果・・・・・。
生命の強さを、輝きを引き出す研究と、研鑚の結果・・・・。
平成13年3月30日ー4月3日

ふくしま国際蘭展2001  

たおやかなカトレアに・・・・
      こころよせて・・・・・・

中村さんは、2棟の温室(8坪と9坪)でカトレアをメーンに約600鉢栽培しています。
栽培暦は10年ですが、非常に自分の感性を大切にして品種を選んでいます。咲いた花を拝見すると、そのテーマは「たおやか」のようです。
今の日本では失われた美感・・・・「たおやか」をカトレアの中に見出して、万人に・・・どうだ・・・という押し出しの強い花より、一歩さがったような花に心寄せています。

「作り始めは、今から考えると、どうして・・・と思える品種も集めましたが、現在は自分の感性に素直になってコレクションいる・・・」とのこと。

山形蘭友会

全国趣味家紹介  NO2
  中村 嘉子さん
         YOSIKO NAKAMURA

minnnano3

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秋に訪問したときは、非常に元気良い姿の鉢が多く、さぞラン展では素晴らしい花が期待できると拝見しました。やはり、ラン展には見事な作品が多数展示されましたその中の一鉢が見事 会長賞のグランプリを獲得されました。この個体は原種であるが素晴らしく立派な花ですが、原種の風情が残るように作られています。山形ラン友会の大30回展示会は、1月9日ー15日まで山形大沼デパートで開かれました。30年前のことを思うとランも大衆化したとおもう。雪の降り積もる山形での第1回の展示会は驚きの感動の会場であった。あれから30年、ランの品種のレベルは向上し、女性のパワーが全開の会場になった。男のラン作りと女性のそれとは根本が違うようである。こころが込められた作品がそろった。栽培のレベルが年を追うごとに向上し、栽培の困難な原種に挑戦して、見事に作り上げるようになった。何事も勉強である。いい作品を拝見できたラン展であった。

 

 L, jongheana ”Yoshiko”

 栽培の苦心を聞く・・・・・