この栽培法は「気化熱」と「顕熱」の両方を利用したものである。
 日本の夏は、ほとんどのランにとって暑すぎる。
 特に日中気孔を閉じるCAM型ランにとっては、葉の高温は、
 自生地では経験したことない温度であろう。


 ランの自生地における光合成可能な葉の温度上昇、呼吸作用を抑える葉の冷却は、
 大氣の「顕熱」と、水が蒸発する時に周囲から奪う「気化熱」の作用で行なわれている。
 この条件に適合したランが生きつづけることが出来る

 高地に自生するランも同じであるが、日本の平地でのクールオーキッドの栽培は、
 気温が常に高いから「顕熱」による葉の温度冷却には限界がある。
 気温より葉の温度を低くするためには「気化熱」を利用しなければならない。
 夕方の葉上からの潅水は、夜間に葉が乾くから、日中ほどではないにしても「気化熱」が利用できる。
 更に、この栽培法では、日中、素焼鉢の表面から常時水分が蒸発しつづけるから、
 株の周囲は気温が低くなる。
 葉の温度は、この顕熱、気化熱のほかに日射による上昇もある。
 このことから、遮光、散光を行なって、出来る限り葉の温度を下げなければならない。
 更に紫外線をカットして、葉の損傷を防ぐ必要がある。
 この紫外線の問題は、自生地は高地だから紫外線が強いから、
 紫外線は平気というわけにはいかない。
 弱った葉に紫外線が当たれば・・・・。
 弱った葉には、自生地に見られる紫外線防護組織が構築されていない。


 この栽培法の一日の経過。
 
 夕方葉に潅水した後の状態。

   空中湿度100%の夜は・・・・潅水の水は蒸発しないから気化熱で葉が冷えることはない。
                     CAM植物では気孔が開くが、気孔からの蒸散はない。
                     大氣の「顕熱」のみで葉温は下がる。
                     素焼き鉢からの蒸散もない。
                     熱帯夜の湿度100%の場合は、ランにとってきびしい。
   空中湿度が低い夜は・・・・・潅水した水は蒸散するから気化熱で葉は冷える。
                    CAM型ランでは気孔が開き、気孔からの蒸散で葉温は下がる。
                    大氣の「顕熱」でも下がる

                          素焼鉢からの蒸散でも下がる。
  

     この栽培法は、夜間の湿度がある程度低い時に有効である。
     気韻生動の大氣の大きな対流がベストである。


  夕方潅水しないときの状態。
    この場合は、葉が濡れないから、葉の水の蒸散作用がないから、
    気化熱による葉温の低下はない。
    この一つの条件が削除された状態でランは一夜を過ごすことになる。

    空中湿度が低い場合は、株へのダメージは大きくなる。
     自生地の夜霧、夜露の湿気は必要である。
    日本の梅雨開け後の晴天続き、熱帯夜、こういう条件は、
    クールオーキッドのみでなく、他のランにもほとんど見られない。
    自生地のことを考えれば温度較差が一定の条件で必要なのは至極当然。

   光合成の実入りは、冬より夏の方が少ないという事態になる。
    夏の夕方の潅水、葉の温度を低下させる方法というのは、
    光合成、呼吸作用の他に、「養分の転流」という極めて重要なことにも関係する。
    このことを忘れてはならない。
    特にCAM型ランでは、日中合成した澱粉の転送と、
    炭酸ガスを取り込んでリンゴ酸などを作る仕事を同時に行なわなければならない。
    この養分の葉から他の組織への転送は、夕方速やかに行なわなければ、
    葉の呼吸作用でドンドン減ってゆきます。
   
    葉の厚いランでは、この葉の温度の下降速度が遅い。
    「顕熱」による温度下降では、日本の平地では遅すぎる。
    夏負けが出てきます。

  

  朝の状態
     日の出と共に大氣の温度は上昇する。
     霧の中、散光の中でも、大氣の「顕熱」で葉の温度は緩やかに上昇する。
     葉の温度の上昇と光、根の貯蔵水分、夜吸収し蓄えた炭酸ガスで光合成を開始する。
     やがて水が少なくなる。
     午前中は活発に光合成したものが、午後には水が底をつき、光合成できない事態になる。
     根に「ペクチン」が発現するのは、水が底つき始める頃である。
     光に耐える、光を好むランほど、この「水の枯渇」に悩まされる。

 
    葉の温度の一定以上の上昇は、光合成と同時に消耗の呼吸作用も行なっているから、
    光合成で作るエネルギーより、呼吸作用で消耗するエネルギーが大きいという事態になる。
    これが、クールオーキッドのジレンマである。
    夏負け。
    生育停止。
    特にクーるオーキッドには根の細いものが多く、根の柔組織に貯蔵する水の量が少ない。
    この進化は、時々霧が発生して供給されるからである。
    このようなランを水ゴケで栽培するとき、根腐れの怖さから乾燥させる場合がある。
    これでは、よい生育は望むことは出来ない。

  
 この栽培法は、これを回避する一つの手段である。
   鉢底の面が常に水に浸かった状態で、素焼鉢の毛細管現象で縁を伝って、
   適当な湿気が中の鉢に供給される。
  この方法では、午後の3時頃に根にペクチンの発現が見られる。
  このペクチンの発現があるから、晴れた日は、夕方潅水可能になる。

     SUGOI-neなら出来る。
     日本の平地でもクールオーキッドは栽培出来る!!
    宇井清太のハウスの中は毎日35℃以上である。
    山形の村山盆地は無風。猛暑。
    こんな場所のハウスの中でも栽培出来る。
    勿論、扇風機など回さない。
    乾燥した空気では・・・・かえって害が大きくなる。

     「気化熱」と「顕熱」の併用だから・・・・。

 少しでも夏を快適にするには・・・・
 さらに紫外線カットフィルムを張る!!
 不織布をダイオネットに重ねて張り、
 「影」の出来ない光条件にすること。
 つまり「霧の中の光」にすると良い。

 
7 この二重鉢を鉢底面吸水法にする。
   これで完了。

   鉢と鉢の隙間のSUGOI-neと素焼鉢の
   毛細管現象で、鉢の周囲は相当温度が下がり、
   乾燥した空気の害を防止できる。

   
温室全体の気象より、
   葉の周囲近くの「微気象」がラン栽培には
   極めて重要である

 6 水を充分かけ、SUGOI-neを
   100%膨張させる。
   これで鉢と鉢の隙間は完璧な
   SUGOI-neの毛細管現象が構築
   された。

 5 SUGOI-neを入れ終わった状態

 4 鉢と鉢の隙間に膨張させた
   SUGOI-ne1号、SUGOI-ne2号ゴールド
   を入れる。

 3 素焼鉢の大きさは、
   中に入れる鉢より6cmほど大きい直径
   のものを選ぶ。

 2 素焼き鉢を準備。
     鉢底に鉢カケ、軽石など3から4cm入れる。

 1 クールオーキド鉢を選ぶ
    ポリ鉢、プラ鉢、素焼鉢 いづれでも良い
  
  SUGOI-ne クールオーキッド
     二重鉢 鉢底面吸水による冷却法
                
 日本の夏はきびしい暑さである。
 この日本に連れてこられたランにとって、この暑さは「拷問」ものであろう。
 ラン作りなら、このランの立場に立って考えるのが、本当の愛好というもの。
 衝動買いで「適地適作」という植物栽培の基本中の基本が、
 趣味のラン栽培にはない。
 それは、ほとんどランを枯らす結果に終る。
 さらに、これまでのラン栽培は「イジメ」ると花が咲くという方向から
 栽培技術なるものが研究されてきた。
 その中に「強い光」というものがある。
 「紫外線」「赤外線」と遮光の問題。
 このイジメの線上で「クールオーキッド」を栽培したらどうなるか?
 弱って枯れるのがオチである。

 イジメて花を咲かせる!!
 SUGOI-ne栽培は、全くそれと理念をことにする。
 活き活きと生命の輝きを謳歌して・・・・花を開く・・・・・!!
 それが子孫を残すための花を開く生殖器としての本当の姿である!!
 花は植物の生殖器である!!
 ならば・・・・活き活きとした魅惑に満ちたものでなければならない。
 人間の女性も、ランの花も同じである。
 訪花昆虫から見て・・・魅惑に満ちたものでなければならない。
 
 暑さに負けた花では生殖器としての役割はできない。
 SUGOI-ne栽培は、健全な生殖器としての花を咲いていただくコンポストである!!
 そのSUGOI-neのスゴイウラワザに、
 「冷却機能」があるので、皆さんも行って、クールオーキッドを・・・・
 健やかに育てていただきたい。

 著作権所有者 宇井清太
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  SUGOI-ne栽培    
     夏を快適にするウラワザ

       クールオーキッド抜群の生育
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