奇跡の緑化植物     菌根イソギク
イワインチンの花
蔵王山麓に咲く・・イソギクの先祖「イワインチン」。
蔵王山麓に咲く・・・イソギクの先祖「イワインチン」
イソギクの進化について


 イソギクは高山植物の「イワインチン」から進化した。
 イソギクの先祖のイワインチンは日本列島の氷期ヤンガードウリアス期(約11000~10720)には、日本列島は寒冷で高山植物の
 イワインチンは低地広くに自生していた。その後地球全体が温暖になり、イワインチンは高山に生息地を求め、
 その中から低地地にとどまる道を選んだものがイソギク。イソギクは日本列島の低地に広く生息していたが、その場所はやがて光合成勝ち  組の植物が生息繁茂することにになり、最後に他の植物が生育できない過酷な海岸の岩場を生息地として生き延びることを選んだ。
 現在でのイソギクの生息地は茨城県の海岸では既に絶種して、千葉県犬吠埼から三浦半島、伊豆諸島の海岸、静岡県の御前崎海岸に
 生息する。
 日本列島の雨の多い豊かな地で、自ら劣悪で過酷な養分の少ない環境で生きる道を選んだイワインチンとイソギク。
 それには理由があるはずである。 
 イソギクの発芽からの生長は・・・イワインチンの性質を継承して遅い。
 この生長の遅さが他の植物との光争奪戦に敗れ、生きる場所を失った。
 イソギクは強い光がないと生きられない植物である、他の植物の日陰では生きることができない植物である。
 一年中充分な光のあるところは限られている。
 他の植物が生きることのできない不毛の荒地、岩場・・・海岸の傾斜地、岩場・・・海水掛かるような劣悪な場所。
 こういう場所なら、他の植物との競争がないから、生き続けることができる。
 生きるための養分は・・・どうやって調達するか???
 自分の「枯れ葉」を利用することで・・・問題を解決した。
 枯れ葉を分解する「木材腐朽菌」との共生である。
 木材腐朽菌と共生した「菌根」を具備することで、過酷な条件下でも生きられるように進化した。
 自分が生産する枯れ葉の養分と、雨水にわずかに含まれる「窒素」で生きることができように進化した。
 この進化は近縁種のキノクニシオギク、シオギクも同じである。
 (イワインチンは高山の岩場の光を求めた)
 現在のイワイチンの自生地は東北南部の高山から中部地方の高山、南アルプス、中央アルプス。
 現在のシオギクの自生地は紀伊半島南端から高知県香南市までの太平洋側。
 多年草で発芽後の生長が遅い植物にこういう進化をしたものが多い。

 このイソギクの進化に着目して日本再生循環緑化研究所 宇井 清太は「菌根イソギク」の苗を生産に成功した。
 過酷な条件でも生き続ける生命力を利用したのが「菌根イソギク緑化」である。

 
 植物生態系について
 
 以上のように氷期には高山植物のイワイチンが日本列島の低地にまで分布を広げ、その後地球の温暖化に伴い、
 イワイチンは低温の高山地帯に生息地を求めた。そのとき低地にとどまったのがシオギク、イソギクである。
 縄文時代にはシオギク、イソギクの先祖も内陸の砂礫、岩場などに自生していたと考えられる。
 多年草は芽生えた場所で永年生き続けなければならないが、毎年生まれる枯れ葉などが堆積し土壌が肥沃になると、
 他の植物が進出してくる。草丈の低いイソギクは背の高い他の植物に光争奪戦に敗れ、次々に生息地を奪われ、
 わずかに他の植物が生息できない条件の海岸の岩場に生息する個体のみ生き残ることになった。
 山地の植物が海岸に隔離されて、生きるために進化して種分化した。
 
 イソギクの生息地の変遷に伴って、それに適合するように進化したのが現在の姿のイソギク、シオギクである。
 染色体はシオギク8倍体。イソギク10倍体。
 イワイチン~シオギク~イソギクへと進化したようである。
 シオギクの自生地の日本最西端が高知県香南市であることから、氷期時代の10000年前にはイワイチンの生息は
 本州全域、四国、九州地方まで広がっていたと考えられる。
 オオイワイチンはユーラシア大陸から北海道まで広く生息していたと考えられる。
 現在は限られたエリアで命を繋いでいるが、その生命力は貧しい環境でも生き抜く力を具備している。
 木材腐朽菌の力を借りながら・・・・。

 植物の生態系を考える場合、自生地の枯れ落ち葉を分解する木材腐朽菌などの微生物まで含める必要がある。
 種子から芽生えたときら、このような菌と共生して・・・多年草植物は特に・・・生きているからである。
 共生菌を削除したポット苗を栽植した場合、新しいつちを盛り土したような場所では、育ちが悪かったり、
 枯れることがあるからである。

 日本再生循環緑化研究所で生産している「菌根イソギク苗」は、自生地に生息する木材腐朽菌を共生させた
 自生地再現菌根イソギク苗である。
 だから、ソーラー施設の劣悪な土壌条件でも枯れないで緑化出来る。


  重要なことは

   1  菌根イソギクは根に枯れ落ち葉を分解する「木材腐朽菌」を共生させており、
      自分の枯れ葉を分解して養分にして貧しい場所で生き続けてきた。
     この特性は、ソーラー発電所の場合、ほとんど劣悪な貧しい土壌条件であるが、
     こういう場所でも生きることが出来る。
   2 自家不和合性であるということは、種子が出来ないので、タンポポ、セイタカアワダチソウのように、
     種子が飛散し他所の場所に生息繁殖しないこという・・・ソーラー発電所緑化に最適な特性を有している。




 
 
 奇跡の蜜源植物
 
           菌根イソギク
 
   菌根イソギクは10月下旬から12月下旬まで開花する。
   これは日本列島で最も遅い開花である
   蜜蜂にとって、越冬するために蜜源として最高の花ということが出来る。
   4月から10月まで開花する蜜源は・・・どうにかある。
   問題はミツバチにとって最も必要な晩秋の蜜源が無かった!
   菌根イソギクを・・・日本全国に栽植すれば、
   蜜源不足の問題は一挙に解決する。
   冬期間の栄養不足から・・・日本蜜蜂は衰退したが、
   菌根イソギクの蜜で、栄養満点の状態で越冬出来る。
   春・・・・。
   元気いっぱい・・・受粉に飛び回る”!
   日本の農業に、菌根イソギクは多大な貢献をする奇跡の緑化植物である。
日本には菌根イソギク以上の緑化植物はない
イワダレソウは暖地性の植物である

    亜熱帯、熱帯原産、日本では温かい九州、沖縄などの海岸に自生する。
    根は30㎝~50㎝深く伸びる。

  これがソーラーに栽植した場合、きわめて重大な欠陥になる。
  低温期間の10月から5月まで葉を落すからである。新芽を出すのも5月になってから。
  これではソーラーの雑草を防止することはできない。 
  更に根が伸びる深さが問題になる。
  ソーラーの劣悪な土壌は浅い。この浅い土壌ではすぐに根で満杯になり、排水不良となって枯れる。
  ここだ非常に重要な所で、栽植する場合は、土壌の深さを調査すること。
ここが問題欠点。
  芽出しが・・・遅すぎる。
イワダレソウは雑草に負ける

  イワダレソウの防草効果を求めるのは勘違いである。
  亜熱帯、熱帯型草本のイワダレソウは、下記のように、秋から5月頃まで葉を落とし、春遅く新芽をだ出す!
  この特性がソーラーでは重大な欠陥である。なぜなら、春早く低温期に発芽する他の多くの雑草が芽生え
  生長してから新芽を伸ばすからである。これではソーラー雑草の発芽生長を防ぐことはできない。
  5月、6月に雑草を取らなければならない! これでは広い面積のソーラー、メガソーラーでは思わしくない。
 
 面積の狭い宅地、庭・・・なら使えるが・・・。
グランドカバー植物との違いを考察
赤マーク  冬至芽を発生させる地下茎
木質化した茎から発生した新芽
イソギク 冬至芽
イソギクは霜、雪の降るエリアでは種子を創れない
 
菌根イソギクの繁殖について


イソギクの自生地は上記の分布図参照。

              1 種子繁殖出来ない。 自家不和合性。
              2 冬至芽繁殖
              3 茎基部を木質化して越冬し、基部から新芽を発生。

            イソギクは上記の二つの方法で子孫を継代してきた。

              1 イソギクは自家不和合性で、イソギク同士の受粉では種子が出来ない。
                 この特性で、ソーラー緑化した場合、栽植以外の場所に繁殖繁茂しないので、
                 地域の植物生態系に影響を及ぼさない。

              
 冬至芽繁殖
                9月から10月
になると、茎に基部から冬至芽を発生させる。
                約30㎝ほどの長さになり、新しい場所を求めて芽を出す。
                この冬至芽で群落を形成する。 (右写真参照)
              3 茎を強固な木質化することで、低温、乾燥、高温などのリスクを回避し、
                この茎からも新芽を出して絶滅を回避してきた。
                  キク科植物には木本(木)にまで進化したものもあり、イソギクは草本(草)でありながら、
                  年輪を持つ木本植物にように木本のような皮を具備している。(右写真参照)
菌根イソギクは日本にのみ自生する固有種である
  日本の植物生態系を破壊しない・・・・理想と究極の緑化植物である。
  

菌根イソギクは   理想と究極の緑化植物  雑草に勝つ

  なぜ雑草に勝てるのか???
  この謎・・は近年になって解ってきた。
  根から「アロレパジー物質」を出して、他の植物の発芽、生長、繁茂を抑制していることが解ってきた。
  この例はセイタカアワダチソウ、アスパラカス・・・でも知られている。
  日本再生循環緑化研究所 宇井 清太の試験研究によって、イソギクでも見られることが解った。
  この特性は、発芽後、非常に生育が遅く、他の場所では生育の早い他の植物との光争奪戦、
  養分争奪戦では「負け組」となり、生存できない。
  これを防止するため、イソギクの生息エリアに他の植物の侵入を阻止するためのものと考えられている。

  菌根イソギク緑化は、この特異な特性を利用して、雑草を抑制、撃退する緑化法である。   菌根イソギクは「生物防草剤」である。
菌根について詳しく  次へ
野立てソーラー、メガソーラーで雑草防止目的で緑化を行う場合、
日本列島は南北に細長い国だから、国半分は寒冷地。
そういうことで耐寒性は大切だが、耐寒性があっても「耐積雪性」が無ければ使い物にならない。
2014年の大雪。
パネル間の通路にはパネルから滑り落ちた固い雪が堆積した。
土壌湿度100%。
1m以上の積雪が長い期間継続。
雪解け水が湛水。
この状態でも生き残るものでなければ雑草防止どころではない。
全滅になる。

菌根イソギクを開発するとき、日本再生循環研究所が最も心配したのはこの「耐積雪性」である。
なぜかといえば、現在のイソギクの自生地は霜は下りても、ほとんど積雪がないエリアに自生しているからである。
しかし、実際、山形の豪雪地帯に植えてみると、積雪3mにも耐えることが分かった。
更に12月から3月下旬までの120日・・・雪の下でも大丈夫なことが分かった。


つまり新鮮紀時代の地層にいち早く生息を始めたイソギクが、
その後の氷河期を越えて今日まで生き延びた植物だった。
イソギクの耐寒性、耐積雪性は、この氷河期に具備した特性だった。
こういう植物は新鮮紀時代にヒマラヤも出来たが・・・ヒマラヤに自生する植物にも多く見られる。、

南方型植物のイワダレソウは、日本の南方、西南諸島にも自生するので、
熱帯自生のイワダレソウよりも耐寒性を具備しているが、
「耐積雪性」は持たない。
雪を知らない。積雪を知らないイワダレソウである。
そういうことで、イワダレソウの致命的な欠陥は、日本の半分で使い物にならなない植物ということである。
積雪に耐えられるか
100年も同じ場所で生き続けるリュウノヒゲ。

 リュウノヒゲの菌根
  菌根菌と共生することで、生き続けることができる。

 イワダレソウは春平均気温13℃くらいから芽が動き始める。
 しかし、この温度より早く・・・・冬型植物は生長を始めている。
 フキなどは山形では雪解けと同時に動き始める。平均気温5℃でも動く植物がある。
菌根を持っているか

 菌根イソギク
  秋の間に・・・陣取り合戦に勝つために新芽を出しておく。冬至芽。

 左写真
  7000年も生き続ける屋久島の大王杉。

   なぜ、同じ場所で誰も肥料をやらないのに、7000年も生き続けることができたのか。
   これは、海岸の岩の裂け目で生きる菌根イソギクも同じである。

  その理由は、根に枯れ葉、植物死骸を分解する木材腐朽菌を共生させているからである。
  大王杉の根は約500種の微生物と共生していることがわかってきた。


  この木材腐朽菌を世界で初めて共生した菌根イソギク苗を作ったのが日本再生循環研究所。
  特許技術である。
  この技術の開発で・・・・同じ場所で永年生き続ける・・・菌根イソギクが生まれた。
  この苗を栽植すれば野立てソーラー20年の緑化は可能である。
  自分の枯れ葉で・・・翌年生きることができる。
  地球の自然は・・・そのようになっている。山は緑である。

  出典 出光テクノマルシェ 
菌根イソギク     冬でも常緑
リュウノヒゲ      常緑
イワダレソウ     平均気温15℃以下の期間葉は枯れる。


岩垂草の緑の葉がある期間は・・・ 
右の表は日本再生循環研究所のある山形県の平均気温表(気象庁)である。
山形県では10月上旬が平均気温15℃に低下する。
春の芽出しに必要な気温15℃は5月中旬である。
この期間は、イワダレソウは右の写真に見られるように、茶色に枯れた状態になる。
イワダレソウ属は熱帯、亜熱帯地方に約220種、日本に1種自生する南方型の植物で、
耐寒性をを具備していない種が多い。

春の芽出しが5月中旬は、南方系の植物の特性。地温が高くならないと芽が動かない。


 日本の雑草との関係を見ると・・・・
    雑草との場所取り、陣取り合戦

   陣取り合戦で勝つ植物でなければ緑化はできない。


  10月に葉が枯れたとき、この時期は侵略的外来植物のセイタカアワダチソウ・・・の花が満開。
  種子が実るのが11月。
  セイタカアワダチソウの種子が、イワダレソウの葉が枯れた場所に落下傘のように舞い落ちる。
  春、アワダチソウが芽出しして繁茂する前に・・・セイタカアワダチソウの種子は、
  枯れたアワダチソウの枯れ葉の間で、春の光の赤色光に反応して発芽する。
  つまり、イワダレソウよりもセイタカアワダチソウの動き、活動が早いのである。
  早いもの勝ち。
  花見の場所取りを連想すれば解りやすい。
  草の世界も・・・太陽光の争奪戦である。
  イワダレソウが芽だしした頃・・・すでにセイタカアワダチソウは背丈が大きくなっている。

 右写真参照

  セイタカアワダチソウで例を述べたが、日本は温帯地方。
  日本には、夏に栄養生長する植物と、冬に栄養生長する植物があるが、
  イワダレソウは冬に生長する植物にも弱いことになる。
  夏型植物が休眠している間に・・・冬型植物が場所取りして繁茂する。
  ちなみにクローバーは冬型植物で、夏弱るとき夏型植物が大繁茂して、
  クローバーを負かしてしまう。

 
 菌根イソギクが陣取り合戦で勝つ戦略を持っている。
   ○ 冬至芽を前年の秋に準備しておき、早春に速やかに生長を始めて、
     他の植物より早くエリアを支配占領する。
   ○ 冬にも常緑。
    
   以上の二つを具備することで、冬型植物、夏型植物の両方の植物から勝つことができる。
   しかし、南方型植物のイワダレソウには、温帯の四季の変化で進化した冬型、夏型植物に勝つ戦略が具備されていない。
   春遅く温度が高くなってから芽をだし、新たなエリアを求めて茎を匍匐前進させるだけである。
   昔の太平洋戦争時の日本の軍隊のようなものである。
   戦線拡大・・・・。
   土壌が劣化すれば・・・・枯れる。


 イワダレソウは宅地の庭など、限られた空間、エリアの雑草防止では、
 家人が・・・雑草を取れば・・・・緑化は可能である。
 しかし、野立てソーラー、メガソーラーのメンテナンスのように、
 2ヶ月、3ヶ月間隔の雑草メンテでは、雑草防止には不向きな植物である。
 雑草の猛攻撃に耐えられる植物ではない。
 集中豪雨で湛水すれば・・・己の根で排水不良となり酸欠となり絶滅する。
  


 イワダレソウを野立てソーラーに使用している場合があるが、ほとんどの場合思わしくない状況になる。
 
 
グランドカバー植物、緑化植物にとって、非常に重要なのが緑の葉の期間である。
秋から春までの期間、葉が枯れるか、常緑なのかは、雑草から勝てるか、負けるか・・という問題で、
非常に重要な要素である。
特に、野立てソーラー、メガソーラーに雑草防止目的で使用する場合、冬期間葉が枯れる植物では使い物にならないからである。

菌根イソギク、リュウノヒゲ、イワダレソウで検証してみる。野立てソーラーでは非常に重要な要件である。
葉の緑の期間について
月別の平均気温、平均降水量、雨温図 (統計期間:1981~2010)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温( °C) 3.1 4.0 8.4 16.2 22.0 25.4 28.4 30.4 25.2 19.0 12.2 6.4 16.7
平均気温( °C) -0.4 0.1 3.5 10.1 15.7 19.8 23.3 24.9 20.1 13.6 7.4 2.6 11.7
最低気温( °C) -3.4 -3.3 -0.7 4.5 10.1 15.2 19.4 20.7 16.2 9.2 3.2 -0.7 7.5
降水量(mm) 83.0 62.7 68.6 68.4 75.4 110.5 157.0 150.8 127.2 92.4 84.5 82.7 1163.0

 イワダレソウは・・・常に新天地を開拓して生き延びてきた。
 この姿が・・・短時間で緑化出来るように見える。
 しかし、同じ場所で永年生き続けることはできない。
 イワダレソウには緑化植物としての長い歴史がない。
 10年、20年の緑化の歴史がイワダレソウにはない。
 10年後、20年後・・・・どうなるのであろうか。

 
  イソギク、タマリュウには・・・造園植物として長い栽植歴史がある。

 左写真
  栽植3年目で繁殖が飽和状態になったイワダレソウ。
  これ以上繁茂することはできない。
  この状態になった時、土壌劣化、根詰まりが始まり、このエリアの株は衰弱する。
  同じ場所で生きるためには、菌根イソギクのように木材腐朽菌と共生して、
  再生循環のシステムを構築しなければならないが、イワダレソウは、新しい土地、エリアを
  匍匐性の茎を伸ばす方向の進化で種族を保存してきた植物である。

  数年後、10年後、イワダレソウの死骸は養分となって他の植物が、このエリアで
  繁殖、繁茂することになる。
菌根イソギクとグランドカバー植物の比較

 日本海側の海辺の岩場に自生する岩百合(透かしユリの一種)
   菌根イソギクと同じように枯れ葉、木材腐朽菌と共生しながら
   過酷な条件下で生き続けてきた。

 フォッサマグナ帯のエリア 赤線内  新しい地層である。
  緑色は古い地層         
出典 野山の花たち

 赤印が菌根イソギクの自生地
菌根イソギクの詳しい特性   次へ

 菌根イソギク 10年目の姿。

  菌根イソギクは木材腐朽菌と共生して生きている。
   10年の株も写真のように元気。
  
  同じ場所で永年生き続けることができる。

 イワダレソウ。
  よくぞ・・・表現の良い名前を命名したものである。
  岩垂草。
  この写真の姿がイワダレソウ本来の姿。
  新しい地面を求めている状態。

  最初に植えたところは老化して元気がなくなっている。
  その場所には雑草が繁茂始めている。
  来年は・・・雑草主役の場所になる。

 野立てソーラーは20年。
  野立てソーラーにイワダレソウ緑化した場合、地面がイワダレソウで飽和した段階で、
  雑草繁茂状態になる。

 イワダレソウは新天地を求めて外々へと茎を伸ばす。
 こういう姿は、シバザクラでも見ることができるが、
 数年後に株元が枯れあがることになる。
 株元の根が密集し酸欠、養分不足、排水不良になるからである。
 イワダレソウもシバザクラも、この致命的な欠点を補うために・・・
 新たなエリアに進出するように進化した。


 激しく増殖繁茂する植物は、土壌養分を激しく吸収して土壌を
 短年月で劣化させる。だからイワダレソウは外へ、外へと生長し、
 種族保存を図っている。

 エリアに飽和状態まで増殖すれば、このエリアの株は衰弱する。
 イワダレソウが数年すると枯れたり、病気にかかり全滅するのは、
 イワダレソウの特性に由来する致命的な特性である。

 


 外国産のイワダレソウ・・・リッピアは侵略的外来植物。
  栽植する場合は、注意を要するが、野立てソーラー、メガソーラーには
  植えるべきでない植物である。


  イワダレソウも野立てソーラーに植えた場合、隣接地に這いだしたときの除草が
  思わぬ経費を必要とする場合があるから、相当考えて使用する。
  イワダレソウは・・・外へ、外へと伸びだす植物だからである。
ソーラー緑化で最も重要なのは同じところで何年生きられるかということである。
草本で同じ場所で生き続けることは難しい。
草の間でも熾烈な場所取りの戦いがあるからである。
そういう戦いの中で・・・特異な植物がある。
ラン、朝鮮人参、リュウノヒゲ・・・・・菌根イソギク。
こういう植物は木材腐朽菌と共生して・・・毎年発生する枯れ落ち葉があれば永年生きられる。
草丈が小さく・・・光争奪戦では勝つことができない植物であるが・・・生き続けることができる。
右の写真は日本再生循環研究所 宇井 清太の庭で200年以上も生き続ける「リュウノヒゲ」である。
200年株のエリアはほとんど大きくならないが生き続けている。
だから日本庭園などでは邪魔にならないから重宝がられる。


 
イワダレソウはどうか。

 イワダレソウは菌根菌と共生していない。
 だから地面に這う茎をのばして節々から新しい根を伸ばして生き延びようとする。
 この姿は・・・新しいエリア、土壌を求める姿である。
 そうしないと生き続けることができない。
 イチゴのランナーも同じ。
 常に新しい場所を求める姿が・・・・グランドカバーと見える。
 しかし、これは逆に言えば、同じ場所で永年生き続けることができないということでもある。
 激しくグランドを覆うということは、激しく根を伸ばし張ることでもある。
 節々から根を出せば、エリアは根でいっぱいになる。
 激しく養分を収奪する。
 この養分枯渇と根詰まりは・・・イワダレソウの致命的な欠陥である。
 同じ場所で生き続けることができない。
 排水不良となって・・・全滅する。
 宅地の庭では・・・新しい土地を見つけようと茎を伸ばせば・・・隣の宅地ということになる。
 野立てソーラーでは、100%エリアに繁茂した段階で根詰まり状態になり、
 雨水が排水されない状態になり、湛水し酸素欠乏で根は死ぬ。
 春の雪解け水が湛水しても同じ。
 
 すぐに緑化出来る植物は、その激しさが逆に同じ場所で永年生きることができないという・・・
 緑化から見たとき致命的な欠陥を持つ。
同じ場所で何年生きることができるか

 五月ごろの菌根イソギク。
  前年の葉は木材腐朽菌によって分解されている状態。
  茎は8月頃までに分解される。
  

  菌根イソギクは一度植えれば、肥料を与えなくとも・・・・
  永年元気に生育して雑草に負けないのは、木材腐朽菌と共生しているからである。
  菌根イソギク苗を生産できるのは日本再生循環研究所のみである。

  
    再生可能緑化である。

 前年の枯れた茎葉は木材腐朽菌によって速やかに
 分解され、6月頃にはほとんど分解は完了する。
 この養分で・・・11月まで生育する。
キク科 日本原産の固有種 自生地は千葉県の犬吠埼、三浦半島、 静岡御前崎、伊豆諸島の海岸の崖、傾斜地。
なぜこのエリアのみに自生したのか。
その理由はイソギクは「フォッサマグナ要素植物」の一つと考えられている。
日本列島を分断する地層  新潟県糸魚川~静岡構造線の西側、新潟柏崎から千葉の構造線の東側の間にエリア。
第三紀鮮新世500万年前~258万年前の地層。
このエリアには他のエリアと違った植物が生息していることが知られている。
このエリアは新しい地層で、植物から見れば新天地。
不毛の新天地にいち早く生息を始めた先達植物が「フォッサマグナ要素植物」である。
不毛の地を開拓した植物である。
イソギクは、200万年以上前にできた新しい不毛の大地に他の植物より早く自生したのである。
その場所に・・・今も生き続けている非常に稀有な植物である。

その自生地はほかの植物が生息できないような・・・・不毛の地のような・・・
痩せた砂の傾斜地、岩の裂け目など。
土壌といえないような過酷な場所である。

イソギクと非常に似た環境で生きている植物に、日本海の海岸の岩場に自生している「岩百合」がある。
右の写真を見ると解るように、ほとんど土壌がない。
では・・・なぜこういうところで生息できるのかということであるが、
植物は・・・枯れた茎葉を作る。
この枯れた茎歯が・・・他から飛んできた枯れ葉などが・・・岩のくぼみ、裂け目に堆積する。
この堆積した枯れ葉を食べて生きる木材腐朽菌が、この場所に生息している。
枯れ葉のりぐにん、セルロースを木材腐朽菌が分解してできる養分。
これが翌年の栄養源となって生き続けることができる。
この養分でイソギクも岩百合も・・・写真で見るような場所でも生きられるということである。


日本再生循環研究所で、世界で初めて、自生地からイソギクと共生している木材腐朽菌を発見し、
イソギクの苗に、この菌を共生させることに成功し、2014年8月に特許取得した。
だから「菌根イソギク」と命名した。
世界最先端の木材腐朽菌と共生した苗の大量生産が可能になった。
つまり、写真で見られるような過酷な土壌条件でも永年生きられるイソギクが出来たのである。

野立てソーラー、メガソーラーの土壌は、
この海岸のイソギク、岩百合の自生している土壌条件と同じように、非常な劣悪な土壌であることが多い。
そこで永年緑化するのは・・・ほとんどの植物で不可能である。
この枯れ葉と木材腐朽菌共生による再生と循環が構築されていないと不可能である。
そういうことで、雑草をよく観察すれば・・・同じ雑草が10年、20年同じ場所で生きているものはまれである。
必ず・・・何年かすると別な草に変化している。
イヤチなどの現象が起きて、別な草でなければ生きられない土壌になる。
ここに緑化の難しさがあるのであるが、木材腐朽菌と共生していれば・・・・このイヤチ現象などがなくなり、
同じ場所で永年生きられるようになる。


菌根イソギクが雑草勝つ・・・強靭な生命力は・・・・
不毛の地でも生存できる・・・・木材腐朽菌と共生・・・強かな戦略を構築しているからである。
だから、侵略的外来植物のキク科植物にも負けない生命力を具備している。
キク科植物を駆逐できるのはキク科植物である。



学名 Chrysanthemum pacificum
菌根イソギクの科学
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