ケイ酸細胞になった葉の表皮
ケイ酸細胞壁になった細胞


植物生存の安全保障の砦であるクチクラ層。
このクチクラ層の大切さを、作物栽培現場では忘れられている。
このことが、病害虫のの被害を大きくして・・・化学農薬依存の農業になっている。
イチゴ栽培も例外ではない。
植物が海から陸上に上がった時、最も過酷なものは「乾燥」と強い「紫外線」であった。
海の中では経験したことのない環境条件である。
陸上で生き続けるには、この二つの問題を解決し無ければならなかった。
クチクラ層。
上記の二つの問題は、クチクラ層を具備することで、陸上で生きられることになった・・・。
植物は・・・上記の二つの問題に加えて「病害虫」」という、当初は想定しなかった大問題に直面する。
植物は一方的に被害を受ける弱い立場に置かれた。
特に、クチクラ層の脆弱な植物、個体は、病害菌、害虫にとって千載一隅のもの。
自然の野生の植物は、病害虫との戦いにおいて、少なくとも防御出来ものを具備した個体である。
しかし、人間が人間の為に有用な形質を持った植物を作るために行ってきた品種改良?
この行為の中で、人間は、クチクラ層に焦点を置かないで行ってきた。
消費者に迎合した育種は、病害虫に犯され易い性質を持つ個体であっても、市場性があれば取り上げてきた。
化学農薬が、それをカバーしてきた。
更に、栽培技術においても、培養土、有機栽培でも、クチクラ層を強固にする視点から開発されたものは少ない。
茎、葉を丈夫にする方法は、もっぱら・・・カリ肥料で行なってきた。
植物必須元素16の中で、組織を堅固にする元素はカリであるという理論からである。
植物必須元素から導き出した植物栽培理論。
この理論に大きな「盲点」がある。
堅固な「クチクラ層」を作るための必須元素という考え方である。
植物生存のための砦、鎧を作るに必要な元素である。
現在の科学では植物必須元素はニッケルを加えて17の元素で、植物は最低限の生活は出来るとされている。
これは科学的には誠に正しい。
しかし、ここには植物、作物を育てるための必須元素ではない。盲点である。
栽培現場では、病害虫と植物の熾烈な戦いがある。
17の元素で作られた植物組織では、病害虫に勝てない。
これが、植物工場、水耕栽培の問題であり、盲点である。
つまり、光合成由来の澱粉を原料とする「リグニン」「セルロース」のみでは、
強固で頑丈な「クチクラ層」「細胞壁」を作ることが出来ない。
植物は、それに「ケイ素」を加えて、カチカチの細胞壁、クチクラ層を作る。
ケイ素は、地球の岩石約80%に含有する元素である。
海から陸上に上がった時から、植物はケイ素を利用して、強いクチクラ層を作った、
コケ。
コケが・・・光を反射してピカピカ光るのは、表皮がケイ酸細胞で・・・「鏡面」になっているからである。
照葉樹の葉の輝きも同じである。・・・硬葉照葉樹。
根を持たないコケが、どうやってケイ酸を体内に取り入れるのか。
それがようやく解ってきた。
コケはVA菌根菌と共生するが、菌根菌の菌糸が岩石を溶かして、ケイ酸を菌糸が取り込むということが解ってきた。
この菌糸がコケにケイ酸を供給していた。
VA菌根菌は、植物が海から陸上に上がった約4億年前、リン酸を吸収できなかった。
この時。VA菌根菌がリン酸を供給したされてきたが、菌根菌の働きはリンだけではなく、ケイ酸も供給していた。
作物がケイ酸を吸収できるようにすれば、ケイ酸細胞となっって、
病害虫を防止できることになる。
「自然生態系無農薬農法」は、木材腐朽菌を利用して、作物に「ケイ酸」を吸収させることで完成した。
「根毛」では「ケイ酸」を吸収できない。
イチゴも同じである。
現在使用されているイチゴ培養土には「菌根菌」である木材腐朽菌が生息していない。
そのため、イチゴは「ケイ酸」を吸収できない。
根毛で吸収できるのはイオンの形になる必須元素である。
ケイ酸は土壌内ではイオンの形で存在しないで、分子の形で水に溶け込んでいる。
このため、イチゴの根毛では吸収できない。
このため、堅固な細胞、クチクラ層を形成できない。
この理由で、病害虫の猛攻を受けるのである。
イチゴのクチクラ層を堅固なカチカチにするには、培養土に木材腐朽菌を生息させ、
イチゴの根を「菌根」にする必要がある。
この「菌根イチゴ」の形態は、野生のイチゴの根である。
イチゴの原種の根は、自生地では「菌根」であり、根毛を持ったイチゴではない。
日本再生循環緑化研究所、宇井 清太が発見した菌根菌 木材腐朽菌は、
多くの植物に共生して「菌根」を形成する。
例えば、キュウリなどのウリ科植物、トマト、ナス、ピーマンなどのナス科植物、バラ、イチゴなどのバラ科植物。
木材腐朽菌が生息する培養土では、ケイ酸吸収を抑止するといわれるトマトでも、
多くのケイ酸を吸収して「ケイ酸クチクラ層」を作る。
完全無農薬栽培は、培養土に木材腐朽菌を生息させ、ケイ酸を木材腐朽菌の菌糸が、
イチゴの根に供給することで完成する。
これ以外の方法では、完全無農薬栽培は殆ど不可能である。

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