「丸弁極整形花」。
洋ラン界の絶対の美学。

姿、形の美しさを求めるのは人間の本能。その究極の形が「円」。
だが、この国には、「望月」を想う十三夜の月(後の月)も、少し欠けた十六夜の月(いざよい)も名月とする美学がある。
やせ細る三日月にも、本流よりはずれた流れがつくる三日月湖にも美がある。そして、万葉の歌人は、「春にあなたと別れたときは、帯が二重に巻いて丁度だったのですが、あなたを恋い想い、秋には三重に巻いても、こんなにも帯があまってしまったーーー」と詠んだ。
想いやせて、巻きあまった帯の長さに、捨てた男の幸せを祈る想いの深さを歌うのである。
今、ひばりの名曲「乱れ髪」に、この「孤悲」の美学がよみがえる。
    春は二重に巻いた帯び
         三重に巻いてもあまる秋
    ・・・・・・・

このページには洋ランの育種100余年の歴史の中で、RHSが築いてきた「丸弁極整形花」の美の基準から見れば、審査の対象にもならない花があろう。でも、豊満な花では、どうしても表すことが出来ない「美」が、この世には存在するのである。
 
愛する男に、おのれの羽を抜いてまでも機を織った・・・・やせ細った「つう」の一声は、けして、豊満ではない。
鋭く、悲しみに「満ちて」・・・・いる。


                              宇井 清太

シンビは・・・・深美!!
Forever Dream
 MOG20−275
 Forever Dream
 花径9cm
 3月咲き 中型種
Kiyoko Promenade
 MOG98−120
 Kiyoko Promenade
 花径12,5cm
 1月咲き 大型種

garary27