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MOG93−90
 アルカディアン プロムナード

新品種作出は駅伝と同じである!!
このアルカデアン プロムナードの交配の目標は、リップが純白であるがコルムは深紅、花弁は乙女色の花を創ることにあった。ただ純白の花であればピュアカラーの交配で生まれるが、コルムの深紅はピュアカラーの交配では創ることは出来ない。
アントキアンの色素を持っているコンカラー花を交配親に使用することにした。
♀のビア トランキーラは米国のDOS社の秘蔵の交配親。私が昭和49年に譲り受けたものである。♂のキャロル コックはSBOE社秘蔵の交配親。純白のリップのフリルがブラソ カトレアのように美しいシンビである。♀、♂ともに何人もの先達が100年かけて創った交配親である。

私はDOS社とSBOE社からタスキを、バトンを受けて、このアルカディアン プロムナードの花を得た。多くの株の中に目標とした93−90、93−72の2品種が咲いた。

 MOG94−95 アルカディアン
               プロムナード

 花径11cm 1月咲き 大型種         
MOG96−89
アルカディアン プロムナード

花径11cm 1月咲き 大型種
MOG99-125  アルカディアン プロムナード
  花径 11cm 1−2月咲き  大型種
MOG99-99 アルアディアン プロムナード
  花径 11cm  1−2月咲き  大型種
MOG93−90 アルカディアン プロムナード
   花径 12cm 1−2月咲き 大型種
   
シンビには進化の途中で隠した花が二つある。それは「天上の青」と麗しい「乙女色の花」である。
私の育種目標は当然のこととして、この二つの花に置かれた。無謀なことは解っている。だからこそ目標にするのである。
乙女色の花は「乙女百合」「乙女椿」にある。ローズ色ではない。ピンクでもない。乙女色は天女のものであろう。

天女はシルクロードのオアシスに舞う白鳥という。
朝日に染まりながら飛翔する白鳥ーーーー。
私の中ではこの白鳥と家持が桃源郷で出会った「乙女」とオーバーラップするのである。
その色は絶対に「乙女色」でなければならないのである。
乙女百合も椿もシンビもモンスーン気候が育んだものである。オリエントの色である。
バラ色とは似ているが非なる色である。

MOG93−90、MOG93−72の花は、私の悲願の花であった。
純白のリップでありながら花蕊は深紅。花びらは麗しくたおやかに匂い立つ「乙女色」。
おそらく他の交配では咲くことはない花であろう。


アルカデアン プロムナードによせて
 MOG93−90  
 Arcadian Promenade

    花径12cm 1−2月咲き 
     大型種 
MOG97-288 アルカディアン プロムナード
  花径11cm 1−2月咲き
  大型種
MOG97−218
   アルカディアン プロムナード

  花径11cm  1−2月咲き
  大型種
MOG97-220 アルカディアン プロムナード
  花径11cm 1−2月咲き
 型種
MOG93-281 アルカディアン プロムナード
    花径 11cm 1−2月咲き 大型種
MOG94-85 アルカディアン プロムナード
  花径13cm 1−2月咲き 大型種
MOG93-282
     アルカディアン プロムナード

  花径12cm 1−2月咲き 大型種
この世の最も美しいものに西欧にはヴィーナスがあり、東洋には天女がある。私は、シンビの花に天女の姿を見たいと想い、いつか、それは私の悲願になった。シンビの類稀な広大で深遠な美を想えば、流沙に埋もれた中国敦煌の天女のように、その姿を長い間隠してきたのではないかと想いつづけてきました。私の育種という仕事は、新品種の創造というより、シンビが進化の途中で隠し埋めた美の遺跡の発掘ではなか・・・・と思えてなりません。
 私は天女に出会いたかった。桃源郷で「家持」は天女に出遭ったでは ないか・・・・。それは夢かも知れない。幻かもしれない・・・・。

 私の天女は、乙女色で薄絹のようにたおやかで、Lipは飽くまでも清ら かで麗しく、コラムは秘めた情熱を・・・・紅を宿すものでなければならな い。その眼差しは万人を浄化する麗しいものでなければならない。

 私は、おびただしい花の中に、この花たちを見つけたとき、息を呑んだ 。桃源郷の天女ではないか!
即座に「アルカディアン プロムナード」と命名した。私の育種ハウスの通路は約4kmありますが、この通路を「桃源郷の散歩道」にしたいのである。
その散歩道で、こんなに麗しい乙女に出会えたなら・・・・・
私は「家持」になった・・・・・・。
 MOG93-72  アルカディアン
    プロムナード

 花径12cm 1−2月咲き 大型種
     RHS登録 1994
   登録者   最上ラン園   
   交配者   宇井 清太
   
  ( Via Tranquila  X  Carol Cox)

 VOL−1


シンビジュウムは西欧の美学と、東洋の美学を併せ持つ類稀な蘭であると想う。
私は、40年シンビのみを追い求めてきましたが、ますますその広大で深遠な美の世界に驚愕する日々です。このギャラリー ページは、私の美感で掬った花の展示ですが、ラン界には、西欧の美の評価で決めたAOS,RHSの審査基準がありますが、この ギャラリーは、飽くまでも私が美しいと感じる花を、心に掬った花を展示いたします。私のRHS登録は180種、約3000品種になりますが、その中から交配の系譜の多彩な表情を展観させて頂きます。ご批評お願い申しあげます。                             
                                       
                                                           宇井 清太

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