サンフランシスコ
Mirabel
lowianum
Blue Smoke
Balkis
San Francisco系図
San FranciscoはBalkisの子供で、♀はlowianum系の2n緑花。4n白花Balkisと交配すれば濃色の緑は生まれないと予想される。
ところが、素晴らしい花が生まれたのである。原種lowianumの遺伝子が見事に顕れたのである。Blue SmokeはlowianumのF2であるが、雑種強勢の理論が実証されたのである。3nの強勢とともにである。
この交配からは、当然ですが白花の”St Nadine”など多くの白花が咲いた。ピンク花も咲いた。
巨大輪の花は品格に欠けるのが多いが、非常な気品を3ヶ月も維持続ける。Cymの極限まで到達した花である。1m以上のステムに10数輪咲いた姿は、言葉はいらない。他の草木では現わせない美である。他のランでも到達出来ない美の領域の花である。
品種解説
メリクロン元年の1960年から今年で40年。
メリクロンは十分に産業への夢を実現した。21世紀。ラン界はどんな夢を追うというのだろうか・・・・・・。
20世紀の末、日本では「世界蘭会議」の成功を機にイベント企画の蘭展が、全国各地で開催されるようになりました。21世紀は、ランそのものにはどんな夢が生まれるのであろうか。細胞融合なのか・・・・。ラン界は約50年ごとに素晴らしい技術を手にして発展してきました。
私の育種は21世紀のラン界の方向を模索しながら、大量生産の中で見失った「気品」と「個性」を新品種で保存することに努めている。それがCymの基本と思うからです。「育種は駅伝」である。
宇井 清太
Alexanderiが神話なら、San Franciscoは伝説である。
Cymというランにこれほど素晴らしい花が咲くとは、当時のラン界では信じられなかったからである。
洋の東西を問わずCymの最高の花は緑花である! 勿論、東洋ランでもそうである。緑花こそCymの類稀な美である。この世に花の咲く草木は多々あるが、Cymの緑花ほど気品のある花はない。
Cymは現在大量生産のランになって、この気品が少し失われたように感じられるが、Cymの素晴らしさはなんと言ってもその気品である。
当時の育種家はこの「気品」に執着したのである。この気品を得るために苦労したのである。花が何本も咲いたから気品があるのではない。豪華なのではない。
San Francisco”Meadow Mist”AM/AOSは、万人の胸を打つ品格と一輪の花の中に、開拓者が夢に見た緑の平原が宿っていたのである。Cymの限りない可能性が、新天地が広がっていたのである。Alexanderiの発見に夢を託したラン界が手にした遺伝学の成果でもあったのである。この品種が咲いた数年後の1960年、ラン界は「メリクロン」技術を手にした。フランスのMorel博士によって開発された。ラン界は新たな夢を追うことになった。産業への道である。
San Francisco”DosPueblos”AM/AOS 花径 14cm 3−4月咲き 大型種
San Francisco ”Meadow Mist” AM/AOS 花径 12,5cm 3−4月咲き 大型種
RHS登録 1956
登録者 Stewart Inc
( Blue Smoke x Balkis )
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